<前回のあらすじ>三宅島に検診バイトで来たDr.ORANGE。仕事に観光にと三宅島を堪能していますが・・・
そんな感じで三宅島を堪能したわけですが、来島した翌日から伊豆諸島を爆弾低気圧が襲います。毎晩ベッドに入っても、轟々と風や波の音、時々雨の音が聞こえます。食堂でついているNHKでも、強風のニュースの1位に三宅島にあがるほどです。今回の検診ツアーでは、前述したように3日目に放射線技師さんが帰京し、代わりに超音波技師さんが来島する予定。しかし、風がひどくて船は欠航するし、飛行機も飛ぶか飛ばないかギリギリまで「天候調査中」のまま。イメージでは船の方が確実で飛行機の方が飛ぶかどうか不定かと思ったら逆でした。たしかに波が荒いと絶対に着岸できないのがわかったのですが、船もダメ飛行機もダメだと完全に詰むんですね・・
責任者のHさんは何度も何度も携帯とにらめっこ。建物の外は本当に暴風。風速20mとなるとこの重量級の私でさえもまっすぐ立てない。笑っちゃうほどの暴風を浴びにいくとヘアバンドが飛ばされる。時々バラエティ番組で「巨大扇風機に挑戦」みたいなのあるじゃないですか。あんな感じ。



空港に行くまで天候調査中ということでしたが(その入れ替え時間は私が三宅島観光していたので詳細は不明)、夕食には無事メンバーが入れ替わっていたので飛行機は飛んだようでした。
その翌日4日目は終日お仕事。後半はちょっと検診主催団体が違うので、少し慣れなくてやりにくい感じもありましたがなんとか無事に終わることができました。
最終日。この日は検診は午前のみ。午後には全員で帰京しなければいけません。晴れてはいるのですが、朝から暴風が吹いています。
宿の主人に「今日・・飛行機飛びますかね?」と聞くと「まあ・・大丈夫だと思うんですけどねえ」と。リーダーのHさんが「ちなみに、もし、もしですよ?もし飛行機が飛ばなかったら、こちらの宿はもう一泊延泊って可能ですか?」と聞いたところ、「あー無理ですね。今日で閉めちゃうんですよ。東京に行くんで」と。「え、でももし飛行機飛ばなかったら東京いけませんよね?」「地元民はねえ、こう見えて色んなルート使えるんですよふふふ」・・・万が一飛行機が飛ばなかったら、帰れないどころか、宿の手配もする必要があるとわかったHさんの顔色もすぐれません。
午前中の仕事は無事終了。さて、これから設置した内診台をパッキングする、などの重労働が待っている・・と思ったらHさんが息せき切ってきて「先生、本当は午後の便で帰る予定でしたが、昼の便が飛ぶ可能性がありそうです!午後の便をキャンセルして、2席確保しました。これから空港に向かいます!お弁当がまだ来てないので昼抜きになっちゃうし、お土産買う時間も無くなっちゃうんですけど先生を東京にお帰しするのが最優先かなって!」と。私的にも明日はゴルフ(AL会)があるので確実に帰るのは優先。二つ返事で帰り支度を始めました。
超音波技師さんと2人でバンに乗り込み、一路三宅島空港へ。時々パラパラと雨がフロントガラスに付きますが空は晴れています。上空の不安定さが示唆されます。三宅島空港に到着してチェックインして、荷物計って預けますが、空港のスタッフは当たり前のように荷物を受け取ります。まだ表示は「天候調査中」のまま。大丈夫かな・・・スタッフによると着陸さえすれば(機体が島に届けば)とぶことはほぼ確実とのこと。
いてもたってもいられず、滑走路が見える場所で、髪の毛を風でぐしゃぐしゃにしながら東京から着く機体が無事に着陸するかどうかをHさんと待ちました。
この滑走路の脇には消防車が待機していて、消防士さんが立って同様に滑走路をみつめています。え?もしかして万が一着陸に失敗しちゃったときに救助したり放水するため?・・などと考えながら消防士さんの表情から様子をうかがいますが、無表情だったのでよくわかりません。しかし、右側の上空に小さい豆粒のような飛行機が見えてきました!ぐんぐん近づいてきますが、やっぱり強風のためまあまあ左右の羽がぐらぐらしています。お―揺れてる揺れてる。中に乗ってる人、怖いだろうな・・なんて思いながらも最後は安定感のある見事な着陸。
オートパイロットに任せられるジャンボジェットのパイロットもすごいんだろうけど、こういう「職人技でちゃくりくします」っていうのは飛行機は小さくてもプロフェッショナルだな・・と感じたDr.ORANGEなのでした。



無事機体が着陸したので、Hさんは後片付けがあるということで帰っていきました。
私達は保安検査場を通過して、往路と同様、席を指定されて機体に乗り込むのでした。ここで私としては痛恨のミス!今でもどうしてそんなことをしてしまったのか、記憶が無いというか・・わけわからないのですが・・・なぜか、申告体重を3㎏もサバを読んでしまったのです!
そのことに席について、運命を共にする乗客たちを眺めた瞬間に思い出したのです。急に怖くなるDr.ORANGE。私が体重のサバを読んだせいで、ただでさえ条件の悪い強風下のフライトなのに、私のくだらない見栄のせいでプロフェッショナルのスキルをもってしても、より困難な飛行になってしまうのではないか??かといってもうこの状態で「私、体重サバ呼んでましたぁ涙」と告白するわけにもいかず、往路と同様、表情はスンっとしながらも、ココロは千々に乱れ、同乗の運命共同体の人達に心の中で手を合わせて「もし何かあったら私のせいも(ちょっと)あるかもしれません・・」と詫びるのでした。
私を載せた小型機は定刻通り、そして今回も右側のプロペラから回りながら動き始め、相変わらずすごい加速で三宅島を飛び立ったのでした。強風にあおられ、ふわっふわっと左右に傾くたびに壁と椅子を強くつかんで体を支えながら「ああ~私のせい?バランスとりづらいよね?」「ごめんなさーい!」と心の中で謝りながら「お願い!パイロットの人、プロでしょ?頑張って!」とパイロットさんを鼓舞するのでした。
しかし・・時間にして15分くらいかな?そのうち飛行機のふらつきも落ち着いてきて、なんとなく私の心も穏やかになってきました。下を見るとゴルフ場。また米粒のようなカートが動いています。明日のゴルフに想いを馳せながら、お腹空いたなあ、調布駅の周りで何か食べよう、なんて考えらながらもまだ「人というのはいつでも命を落とす可能性があるのだから、悔いの無いように生きていこう」という気持ちを再度かみしめたのでした。
なにせ、彼はプロフェッショナル。無事に調布空港にばっちり着陸することができ、私は東京の地に足を付けることができたのでした。
あっという間の4泊5日。自分だけでは絶対できない、とてもいい経験をすることができました。今後はもう体重のサバは読みません!!(決意)




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